仏間の本来の意味をご存知ですか?
仏間は、仏様専用のお部屋です。
仏壇を配置するのには、様々なお約束ごとがありますが、一番に大切にしなければならないことは『毎日お参りしたくなる部屋』とすることです。
毎朝顔を出し「おはよう」の挨拶から気持ちよく始められる仏間を作りましょう。
そのためには、仏間の掃除を毎日欠かさないよう心がけ、私達と同様、ご先祖さまも居心地の良いと感じてくださる仏間にしましょう。
仏間という空間を理解して、仏間を掃除しましょう。
また、仏間に設置してある仏壇の掃除の仕方も併せてご覧ください。
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仏間と床の間の違いにつて。仏間を理解すると掃除の仕方が見えてきます
最近では日本の住宅事情なども関係して、仏壇のために仏間を設けることが困難となってきました。
そのため、仏壇はあっても仏間はなく、リビングや寝室に置いているというお宅も多いですよね。
仏間は、本尊である仏像や先祖の霊が宿る位牌を安置する為の場所を言います。
仏像や位牌は仏壇に納められるので、一般的には仏壇を置く部屋を仏間と呼びます。
仏間は仏様と向き合うための場所なのです。
リビングや寝室などに仏壇を置くと、仏様と一緒に食事をとったり眠りにつくことが出来ますね。
住宅事情により仏間以外の場所に仏壇を置くことになった場合にも、「仏様が中心におられること」を忘れずに過ごすことが大切です。
日本家屋では仏間の他に「床の間」という部屋の名前も使われます。
仏間も床の間も共に和室で、床の間に仏壇を置かれる方も多いので混同しがちです。
しかし、仏間と床の間は性質の違う空間です。
仏間は仏様と向き合う場所ですが、床の間は客間です。
床の間とは、床(とこ)と呼ばれる掛け軸や花を飾るための座敷飾りのスペースがある部屋のことを言います。
ちなみに、床の間には宗教的な意味合いは無いので、床の間に仏壇を設置しても全く問題ありません。
仏壇を置いている仏間は、きちんと仏様と向き合えるような場所に整えて置くようにしましょう。
仏間を正しく掃除するために心がけることとは
仏間は仏像やご先祖様の位牌が安置されている場所です。
ご先祖様は家の守り神のような存在ですよね。
そのご先祖様が宿る場所ですから、丁寧な掃除を心がけましょう。
しかし、やみくもに掃除するのはおすすめできません。
仏壇は細かな装飾がたくさん施されていますから、羽根はたきを使って優しく丁寧に埃を落としましょう。
埃は上から下へ落ちますから、掃除の順番も上から下へ向けて行います。
ピカピカにしたいという思いから、つい水拭きしたくなりますが、仏壇の掃除の基本は乾拭きです。
とても汚れているなら水拭きしても良いですが、頻繁に行うと塗装が剥げたり装飾が錆びてしまう原因になるので気をつけましょう。
掃除のときには、お供えやお花が傷んでいないかも確認してくださいね。
最近では造花を使われる方も多いので、つい確認を怠りがちですが、思いのほか埃の溜まりやすい場所ですよ。
目指すは「毎日お参りしたくなるような場所」です。
風水的には、綺麗な仏壇は運気が上がりやすいそうです。
朝から清々しい気持ちで挨拶出来るような仏間であれば、運気も上がりそうですよね。
掃除を始める前と終わった時には、ご先祖様へのご挨拶も忘れずに。
仏間と仏壇を掃除する意味を考えましょう
仏間や仏壇を掃除して綺麗に整えることは、心を落ち着けてご先祖様と向き合う為に大切なことです。
仏壇を拝むのは、多くの場合は故人の供養の為ですよね。
故人を想って手を合わせることは、それと同時に、更に先のご先祖様にも手を合わせていることになります。
ご先祖様の末端にあなたやあなたの子供たちがいるのです。
ご先祖様がいらっしゃらなければ、あなたは存在すら出来なかったのです。
自分がこの世に生を受けたことへの感謝や、ご先祖様を敬う気持ちをを子供にも伝えたいと思うなら、口でいうよりも仏間や仏壇を綺麗に整え、毎日手を合わせる姿を見せましょう。
子供は親の行動をよく見ていますから、しつこく口で説明するよりもずっと効果がありますよ。
仏間の掃除の仕方とは
仏間には、杉や檜など天然の木材が多く使われていますよね。
柱や障子、床の間や仏間の落し掛けなど、いろいろな種類の木材を目にします。
柱などは、天然絞りと呼ばれる木の表面のコブ状や波状に現れたデコボコが現れた丸太など、同じものは他には存在しないという木材も使われます。
これらは天然素材のため、洗剤を吹きかけて掃除することは出来ません。
昔の方は軽く炒った米ぬかを木綿の袋にいれてお手入れしていたそうです。
この方法は、米ぬかの油が少しずつ木材に染み込んで、綺麗な光沢が出せます。
現代なら白木用のワックスという方法もありますね。
基本的には乾拭きやしっかりと絞った雑巾で掃除しましょう。
しかし、長年使っていると手垢などのシミがついてしまう場合もあります。
そういった場合には、専用のクリーナーが売られていますから、使ってみるのも良いでしょう。
また、「あく洗い」という落とし方があるので、専門の業者にお願いして見るのも手です。
費用はかかりますが、それなりに綺麗になります。
注意して頂きたいのが、洗剤です。
天然の木材はむやみに強烈な洗剤を使ってはいけません。
強アルカリ剤の場合には、木質繊維をつないでいる成分を溶解してしまい、ボソボソになってしまうこともあります。
仏壇の手入れと掃除の仕方
最後に仏壇のお手入れについてご紹介しましょう。
毎日仏壇に手を合わせる方なら、ご先祖様へのご挨拶の後に行うと良いでしょう。
日常的に仏壇を掃除するなら、羽根はたきを使って埃を払う程度でも大丈夫です。
気になる場所は乾拭しましょう。
負担にならない程度にするのが、毎日掃除を続けるコツです。
普段からお手入れしていても、お盆やお彼岸、お正月、命日などにはしっかりとお手入れしたいですね。
大まかな流れをご紹介しましょう。
- ご先祖様にご挨拶
- 仏像や仏具を下ろす
- 仏壇の埃を払って、塗りの部分だけ乾拭きする
- 仏像と位牌を戻す
- 他の仏具も綺麗にして戻す
- お線香立ては灰を半分ほど変えて戻す
- ご先祖様に掃除が終わったご報告
細かな細工が多いので、刷毛や筆なども使って丁寧に作業しましょう。
また、漆塗りや金属で出来ている場合には埃を払うだけにし、陶器やガラスなど洗える素材のものは洗って綺麗にします。
仏壇は材質によってお手入れ方法が異なります。
特に金仏壇の場合には、取扱には注意が必要です。
金箔は素手で触ってしまうと指紋がついたり、剥げてしまうこともあります。
濡らす事は厳禁ですから、水だけではなく、汗や皮脂にも注意しましょう。
専門の業者に掃除を依頼することも出来ますから、自信がない場合には検討してみると良いでしょう。
仏間は故人やご先祖様を想って、供養の為に手を合わせる場所です。
毎日お参りしたくなるようなそんな場所に整えたら、ご先祖様もきっとお喜びになるはずです。